漢詩の作り方


作詩の入り口

 漢詩は唐の時代に形式が確立し、その形式にそった詩を近体詩といいます。近体詩を字数と句数で分類すると、次の4種類に区分されますが、初心者はこのうちの七言絶句の作り方だけを学習すればいいでしょう。

 ・五言絶句(5字×4句=20字)  ・五言律詩(5字×8句=40字)

 ・七言絶句(7字×4句=28字)  ・七言律詩(7字×8句=56字)

 教科書は、呂山先生の「だれにもできる漢詩の作り方」がお薦めです。この本は市販されていないと思いますので、電話して送ってもらうことになります。電話番号は、082-871-6176です。辞書は、後ほど説明する平仄が載っているものでないといけません。私は角川書店の「新字源」を使っていますが、これ以外にもいろいろ市販されています。

 


七言絶句のルール

◇二字・二字・三字のルール

 句内の7字は、二字・二字・三字の区切りで構成されます。

◇起承転結のルール

 4つの句は起承転結をなし、第一句を起句、第二句以下を順次承句、転句、結句とよびます。

◇平仄のルール

 すべての漢字は平字(○で表示)か仄字(●で表示)のいずれかに分類され、新字源などの辞書で漢字を引くと、平仄が明示されています。そして、2字目と4字目は平仄を違え、2字目と6字目は平仄を同じにします。さらに起句と結句は平仄のパターンは同じにし、承句と転句は平仄のパターンを入れ替えます(後出のパターン図参照)。

◇押韻

 韻の種類は106種類ありますが、韻は平字で踏むことが多いので、韻の種類は平字の30種類と考えてほぼ間違いありません。起句、承句、結句の最後の文字は、同じ韻目の漢字すなわち同じ韻のグループに属する漢字を用います。転句の最後の文字は仄字を用います。

◇下三連を避ける

各句とも、下の3文字がすべて平字になったりすべて仄字になったりしてはいけません。

◇以上から

 七言絶句は、次のいずれかのパターンになります。

    パターンA(平起式)   バターンB(仄起式)

起句  △○/△●/●○◎     △●/△○/△●◎     註)

承句  △●/△○/△●◎     △○/△●/●○◎     ○は平字(◎は押韻)

転句  △●/△○/○●●     △○/△●/△○●     ●は仄字

結句  △○/△●/●○◎     △●/△○/△●◎     △はいずれでもよい

◇孤平を避ける

 4字目が平字の場合は、その前後を仄字で挟んではいけません。上記パターンAの承句の3字目と5字目の両方が仄字になってはいけないわけです。パターンBの起句と結句も同様です。

◇その他

 押韻した漢字と同じ韻の漢字は、転句以外では用いてはいけません(冒韻を避ける)。また、同じ漢字を複数回用いてはいけません(同字重出を避ける)。

 


詩語集の活用

  中国人にとっても作詩のルールはややこしいので、中国の雑誌では字数や平仄を守っていない自由詩もみられます。ただし日本では、ルールを守らないと漢詩とは認めてもらえず、漢詩大会などにルールを守らない漢詩を応募しても門前払いになります。

 日本人にとっては特に平仄と韻が難しく、いちいち辞書でこれを確認しながら作詩するのは至難の業です。呂山先生の「だれにもできる漢詩の作り方」の付録の詩語集では、平仄や韻の区分ごとに詩語が整理されており、ここから詩語を選べば正しい平仄で作詩できるようになっています。

 


漢詩教室

 作詩のルールは必要条件なので、ルールを守ったからといって良い漢詩ができるわけではありません。良い漢詩を作るには、教室に通ったり通信教育で指導してもらうことが必要です。全日本漢詩連盟HPは、全国の地区漢詩連盟のHPとリンクしていますので、そのHPから最寄りの教室を確認できます。